Excel

ExcelのARRAYTOTEXT関数で配列をテキストに変換しよう!【Excel 365/2021の新機能】

ExcelのARRAYTOTEXT関数は、Excel 365やExcel 2021に追加された新しい関数で、指定した配列をテキスト形式で出力するための関数です。配列を簡単にテキスト形式に変換できるため、データの表示や可視化、他の関数との連携が簡単になります。この記事では、ARRAYTOTEXT関数の基本的な使い方から応用的な活用法までを詳しく解説します。

ARRAYTOTEXT関数とは?

ARRAYTOTEXT関数は、セル範囲や配列をテキスト形式で表現する関数です。この関数を使用することで、配列をテキスト化して他の関数やシステムとの連携が容易になります。例えば、数値や文字列が並んでいる配列をテキストとして扱いたい場合に役立ちます。

ARRAYTOTEXT関数の基本的な構文

=ARRAYTOTEXT(配列, [形式])

  • 配列: テキスト形式に変換したい配列やセル範囲を指定します。
  • 形式(省略可能): 出力形式を指定します。0または省略した場合は簡易形式、1を指定すると詳細形式で返されます。

出力形式の違い

  • 簡易形式: 数値は簡略な形式で表示されます。通常はこの形式で十分です。
  • 詳細形式: 数値が詳細に表示され、小数点以下の数値も含めて正確に返されます。

ARRAYTOTEXT関数の動作イメージ

たとえば、セル範囲A1

に次のようなデータが入力されている場合を考えます。

A B
1 2
3 4

この配列をテキスト形式に変換するには、ARRAYTOTEXT関数を次のように使用します。

=ARRAYTOTEXT(A1:B2)

この場合、簡易形式で次のような結果が返されます。

{1,2;3,4}

各行の要素はカンマで区切られ、行ごとにセミコロンで区切られた配列として返されます。

ARRAYTOTEXT関数の実際の例

例えば、次のようにARRAYTOTEXT関数を使って、セル範囲や配列をテキスト形式で出力できます。

セル範囲 ARRAYTOTEXT関数の使用例 結果
A1

に{1,2;3,4}

=ARRAYTOTEXT(A1

)

{1,2;3,4}
C1

に{10.5,20.5;30.5,40.5}

=ARRAYTOTEXT(C1

, 1)

{10.5,20.5;30.5,40.5}

このように、ARRAYTOTEXT関数を使うことで、配列やセル範囲をテキスト形式で表現できます。

簡易形式と詳細形式の違い

簡易形式(省略、または0
簡易形式では、小数点以下の数値が省略され、数値が概略的に表示されます。

=ARRAYTOTEXT(A1:B2)

結果:

{1,2;3,4}

詳細形式(1
詳細形式では、数値が正確に表示され、小数点以下もそのまま表示されます。

=ARRAYTOTEXT(C1:D2, 1)

結果:

{10.5,20.5;30.5,40.5}

ARRAYTOTEXT関数の応用例

配列をテキスト形式で他の関数に渡す

ARRAYTOTEXT関数を使えば、配列を他の関数に渡してデータを処理したり、可視化したりすることができます。たとえば、セル範囲A1

を配列形式にして、他の数式や関数で使う場合に役立ちます。

=CONCAT(“配列は “, ARRAYTOTEXT(A1:B2))

この数式では、セル範囲A1

の配列をテキスト形式に変換し、「配列は」という文字列と結合して表示します。結果として、**「配列は {1,2;3,4}」**と表示されます。

配列の確認や可視化

ARRAYTOTEXT関数を使用すると、配列の内容をテキスト形式で確認したり、配列の構造を簡単に把握することができます。配列をテキスト化することで、複雑な数式を視覚的に確認したいときに便利です。

たとえば、次のように配列数式の結果をテキストとして表示できます。

=ARRAYTOTEXT({1,2,3;4,5,6}, 1)

この数式は、配列**{1,2,3;4,5,6}**をテキスト形式で表示します。結果は次の通りです。

{1,2,3;4,5,6}

配列の動的表示

ARRAYTOTEXT関数は、他の数式や配列数式と組み合わせることで、動的に変化する配列をテキスト形式で表示することができます。たとえば、動的なセル範囲を配列として表示する場合、次のようにします。

=ARRAYTOTEXT(A1:INDEX(A:A,4))

この数式では、セル範囲A1から動的に4行目までの配列をテキスト形式で表示します。

ARRAYTOTEXT関数の便利な豆知識

配列の理解を深めるためのツール

ARRAYTOTEXT関数は、配列を理解するためのツールとして役立ちます。配列の内容をテキスト形式で確認することで、配列数式がどのように機能しているかを視覚的に理解しやすくなります。

簡易形式と詳細形式の使い分け

配列のデータ量や精度に応じて、簡易形式(デフォルト)と詳細形式を使い分けることができます。通常は簡易形式で十分ですが、数値の精度が重要な場合には詳細形式を選ぶことをおすすめします。

他の配列関数との併用

ARRAYTOTEXT関数は、他の配列関数(例えばSEQUENCE関数FILTER関数)と組み合わせることで、配列の内容をテキストとして視覚的に確認したり、データを表示するのに便利です。

=ARRAYTOTEXT(SEQUENCE(3,3))

この数式は、3×3の配列を生成し、その結果をテキスト形式で表示します。

ARRAYTOTEXT関数のよくあるエラーと対処法

配列が正しく指定されていない場合

ARRAYTOTEXT関数を使う際、配列が正しく指定されていない場合や無効な範囲が指定された場合、エラーが発生することがあります。配列が正しい範囲やデータを含んでいることを確認してください。

空の配列を指定した場合

空の配列や範囲が指定された場合、ARRAYTOTEXT関数は空のテキストを返します。データが含まれているか事前に確認することが重要です。

=IF(COUNTA(A1:B2)=0, “データがありません”, ARRAYTOTEXT(A1:B2))

この数式では、セル範囲A1

が空の場合に「データがありません」と表示され、データがある場合には配列をテキストとして表示します。

まとめ

ExcelのARRAYTOTEXT関数は、配列やセル範囲をテキスト形式で出力できる非常に便利なツールです。配列をテキストとして表示することで、データの確認や他の関数との連携が容易になります。簡易形式や詳細形式を使い分けて、配列の可視化やデータ管理を効率化しましょう。