「Excelで条件に一致するデータだけの平均値を出したい」
そんなときに活躍するのが、DAVERAGE(ディーアベレージ)関数です。
この記事では、DAVERAGE関数の基本構文から使い方、複数条件の設定方法、AVERAGEIFSとの違い、実務での応用例までを詳しく解説します。
1. DAVERAGE関数とは?
DAVERAGE関数は、Excelのデータベース関数のひとつで、
「指定した表(データベース)の中から、条件に一致する数値データの平均を計算」する関数です。
✅ フィルタと平均の機能を一つの関数で実現でき、柔軟な集計が可能です。
2. 構文と引数の解説
引数 | 内容 |
---|---|
データベース | 表全体の範囲(1行目にヘッダー含む) |
フィールド | 平均を求めたい列名(”売上” など)または列番号・セル参照 |
条件 | 条件を指定した範囲(ヘッダー行付きの条件表) |
3. 基本的な使い方(単一条件)
■ データ表(A1:C6)
商品 | 担当 | 売上 |
---|---|---|
A | 鈴木 | 100 |
B | 田中 | 200 |
A | 鈴木 | 150 |
C | 山田 | 180 |
A | 山田 | 70 |
■ 条件表(E1:E2)
商品 |
---|
A |
■ 関数例
→ 商品「A」の売上:100、150、70 → 平均値は (100+150+70)÷3 = 106.67
4. 複数条件の設定方法
■ 条件表(E1:F2)
商品 | 担当 |
---|---|
A | 鈴木 |
→ 条件に一致する行(商品=A かつ 担当=鈴木)は2行 → 売上平均:(100 + 150)/2 = 125
5. AVERAGEIFS関数との違い
比較項目 | DAVERAGE関数 | AVERAGEIFS関数 |
---|---|---|
条件の指定方法 | セル範囲にヘッダー付きで指定 | 引数に直接書き込む |
条件の柔軟性 | 数式や比較演算子(例:”>=100″)も可能 | 基本は固定条件のみ |
表の構造 | データベース形式(列見出し必須)に適する | 任意のセル範囲に対応 |
拡張性 | 入力フォームや管理表に組み込みやすい | 関数の中で完結しやすい |
6. よくあるエラーと対処法
エラー / 問題 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
結果が0になる | 条件に一致する行がない | 条件の綴りや入力漏れを確認 |
#VALUE!エラー | フィールド名が誤っている | 列名や列番号、セル参照が正しいか確認 |
空白や非数値が含まれる | 平均の対象に非数値があるか、空欄が多い | データの型や空白セルの扱いに注意 |
7. 実務での活用例
-
商品別の売上平均を自動集計
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特定条件に合う案件の平均単価を抽出
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担当者別の成績や目標達成率の平均を算出
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顧客満足度や評価スコアの平均を条件付きで集計
8. まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
主な機能 | 条件に一致する数値データの平均を算出 |
特徴 | 条件をセルで管理でき、柔軟に条件変更が可能 |
おすすめ用途 | 売上表、成績表、アンケート集計などにおける条件付き平均 |
類似関数 | DCOUNT(件数)、DSUM(合計)、DCOUNTA(空白でない件数)など |
✔ 補足:他のデータベース関数との比較
関数名 | 機能 |
---|---|
DSUM | 条件に合う数値を合計 |
DCOUNT | 数値セルの個数をカウント |
DCOUNTA | 空白でないセルの個数をカウント |
DAVERAGE | 数値の平均を計算 |
DAVERAGE関数は、「条件に一致する平均値を出す」だけでなく、
入力フォームや検索機能付きのレポートシートにも応用できる、実用性の高い関数です。
ぜひDSUMやDCOUNTなどと組み合わせて、Excelでの集計業務を効率化してみてください!