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ExcelでCSC関数(余割関数)を扱う方法【わかりやすく解説】

CSC(コセカント)関数とは?

CSC(コセカント、Cosecant) とは、三角関数のひとつで、サイン(SIN)の逆数です。

数式で表すと:

CSC(θ) = 1 / SIN(θ)

例えば:

  • SIN(30°) = 0.5 → CSC(30°) = 1 ÷ 0.5 = 2

  • SIN(90°) = 1 → CSC(90°) = 1 ÷ 1 = 1

👉 ただし、SIN(0°)=0 なので CSC(0°) は 定義できません(無限大)


ExcelにCSC関数はある?

残念ながら、Excelには CSC関数は標準搭載されていません
しかし、SIN関数を使って 「1/SIN(角度)」 と表現すれば同じ結果が得られます。


ExcelでCSCを計算する方法

基本形

=1/SIN(RADIANS(角度))

RADIANS() … Excelは角度をラジアンで処理するため、度数をラジアンに変換する必要があります。


例1:基本的な値を求める

角度(度数法) 数式 結果
30° =1/SIN(RADIANS(30)) 2
45° =1/SIN(RADIANS(45)) 1.414(√2)
90° =1/SIN(RADIANS(90)) 1

👉 0°や180°など、サインの値が0になる角度では エラー(#DIV/0!) になります。


例2:セル参照でCSCを計算

A列に角度を入力し、B列でCSCを計算する場合:

  • B2セルに入力:

=1/SIN(RADIANS(A2))

下にコピーすると、角度ごとのCSCが自動的に計算されます。


応用例

例3:三角比の表を作る

三角関数(SIN・COS・TAN・CSC・SEC・COT)をまとめた表をExcelで作成できます。

角度 SIN COS TAN CSC(=1/SIN) SEC(=1/COS) COT(=1/TAN)
30° 0.5 0.866 0.577 2 1.155 1.732
45° 0.707 0.707 1 1.414 1.414 1
60° 0.866 0.5 1.732 1.155 2 0.577

👉 Excelでは「CSC関数は存在しない」ので、このように逆数で自作します。


例4:エラーを避ける工夫

CSCはサインが0になる角度(0°, 180°, 360°など)で計算できません。
エラーを回避するには IFERROR を組み合わせます。

=IFERROR(1/SIN(RADIANS(A2)),"定義できない")

👉 サインが0のときは「定義できない」と表示されます。


まとめ

  • CSC(θ) = 1/SIN(θ) (サインの逆数)

  • ExcelにCSC関数は存在しない → 1/SIN(RADIANS(角度)) で代用

  • サインが0になる角度では計算できず、#DIV/0! エラーになる

  • IFERROR を使えばわかりやすい表示が可能

👉 ExcelでCSCを使うときは「自作関数」として表現するのが基本です。