Excel

ExcelのFTEST関数(F検定)の使い方をわかりやすく解説【分散の比較】

FTEST関数とは?

Excelの FTEST関数 は、2つのデータセットの 分散が等しいかどうか を検定するための関数です。
統計学でいう F検定 を行い、その結果の p値(有意確率) を返します。

👉 TTESTを行う前に、「分散が等しいかどうか」を確認するために使われることが多いです。


書式

=FTEST(array1, array2)

引数

  • array1:1つ目のデータ範囲

  • array2:2つ目のデータ範囲

返り値:p値(0~1の数値)


基本的な使い方

例1:2つのクラスの点数の分散を比較

クラスAとクラスBの点数データがあるとします。

クラスA クラスB
72 68
75 70
80 74
78 69
74 73

分散が等しいかどうかを検定するには:

=FTEST(A2:A6, B2:B6)

👉 結果が 0.45 のように出たとすると、p=0.45 > 0.05 なので「分散に有意な差はない」と判断できます。


p値の解釈

  • p < 0.05 → 分散に有意な差がある(等分散ではない)

  • p ≥ 0.05 → 分散に有意な差はない(等分散とみなせる)

👉 この判断を基に、TTESTの type=2(等分散) または type=3(不等分散) を選びます。


応用例

例2:薬の効果を比較する準備

  • グループA(薬を投与)とグループB(投与なし)の症状改善データを比較する前に、分散をチェック

=FTEST(A2:A15, B2:B15)

👉 p値が 0.12 → 分散に有意差なし → TTESTで type=2(等分散) を選択
👉 p値が 0.01 → 分散に有意差あり → TTESTで type=3(不等分散) を選択


注意点

  1. データは数値のみ
    文字や空白が含まれるとエラーになります。

  2. FTESTは新しいExcelでは非推奨
    Excel 2010以降では、F.TEST 関数が推奨されています。
    (機能は同じで、表記が変わっただけです)

  3. 分散の比較に特化している
    平均値の差を検定する場合はTTESTを使用。
    👉 FTESTはあくまで「分散の等しさ」を確認する補助関数です。


まとめ

  • FTEST関数 は2つのデータの分散に差があるかを調べる関数

  • 返り値は p値(小さいほど分散に差があると判断)

  • p < 0.05 → 分散に有意差あり(不等分散)

  • p ≥ 0.05 → 分散に有意差なし(等分散とみなせる)

  • 新しいExcelでは F.TEST関数 が推奨される

  • TTESTの type選択(2 or 3) の判断に役立つ

👉 TTESTとFTESTをセットで使うと、「平均の差」と「分散の差」をバランスよく判断できます。

ExcelのTTEST(ティーテスト)関数の使い方をわかりやすく解説【統計解析】TTEST(ティーテスト)関数とは? Excelの TTEST(ティーテスト)関数 は、2つのデータセットの間に統計的な差があるかを検...
ExcelのZTEST関数の使い方をわかりやすく解説【統計解析】ZTEST関数とは? Excelの ZTEST関数 は、母平均に対する 片側検定のp値 を求めるための関数です。標本データの平均が、仮...