Excelで「条件に一致する数値だけをカウントしたい」という場面はよくあります。
そんなときに便利なのが、DCOUNT関数です。
この記事では、DCOUNT関数の構文、基本的な使い方、複数条件の設定方法、COUNTIFSとの違い、実務での活用法などを解説します。
1. DCOUNT関数とは?
DCOUNT関数は、データベース関数の1つで、
「指定した範囲の中から、特定の条件に合致する数値のセルの個数」をカウントします。
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数値のみを対象にカウントする
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条件を別セルに表形式で指定する
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テーブルやデータベース形式に強い
2. 構文と引数の説明
引数 | 説明 |
---|---|
データベース | 集計対象の表全体(ヘッダー行を含む) |
フィールド | カウント対象の列(列名または列番号、またはセル参照) |
条件 | 条件を設定した範囲(ヘッダー付きで、1行または複数行) |
■ フィールドの指定方法
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"売上"
(列見出し名) -
2
(左から2列目) -
B1
(列見出し名が入力されているセル)
3. 基本的な使い方(1条件)
■ データ表(A1:C6)
商品 | 担当 | 売上 |
---|---|---|
A | 鈴木 | 100 |
B | 田中 | 200 |
A | 鈴木 | – |
C | 山田 | 150 |
A | 山田 | 300 |
■ 条件範囲(E1:E2)
商品 |
---|
A |
■ 関数の例
→ 「商品=A」の行のうち、売上が数値として存在する件数=2 を返します(3件中1件は空欄のため除外)
4. 複数条件の応用例
■ 条件範囲(E1:F2)
商品 | 担当 |
---|---|
A | 山田 |
■ 関数
→ 「商品=A かつ 担当=山田」の行の売上(数値あり)件数 → 結果:1
5. COUNTIFS関数との違い
項目 | DCOUNT関数 | COUNTIFS関数 |
---|---|---|
数値限定 | 数値セルのみをカウント | 空白以外なら数値以外もカウント |
条件の指定方法 | 条件範囲にヘッダー+値で設定 | 引数内に直接指定 |
データ構造向け | データベース形式に強い | 一般的な範囲指定に適している |
柔軟性 | 条件範囲に数式や演算子も設定可能 | 条件の式は直接書く必要あり |
6. 注意点とエラー対処
問題・エラー | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
空白セルがカウントされない | DCOUNTは数値のみ対象 | 値が数値かどうか確認 |
結果が0になる | 条件範囲の構成が正しくない | ヘッダー名がデータと完全一致しているか確認 |
#VALUE! エラー | フィールド名の指定が不正(スペルミスなど) | 列名または列番号・セル参照を再確認 |
7. 実務での活用シーン
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商品別に売上が記録された件数を集計したい
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特定の条件(支店、担当者など)で実際に売れた回数を集計したい
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アンケート結果で「有効な数値回答のみ」をカウントしたい
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複数の条件にマッチした売上データの有効件数を確認したい
8. まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
主な機能 | 条件に一致する数値セルの個数をカウント |
メリット | データベース形式の表に強く、柔軟な条件指定が可能 |
注意点 | 数値以外はカウントされない。条件範囲にはヘッダーが必要 |
おすすめ用途 | 売上データ・アンケート・点数表など、数値項目の集計に最適 |
✔ 補足:DCOUNTAとの違い
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DCOUNT
:数値セルのみ -
DCOUNTA
:空白でなければ文字列でもカウント
DCOUNT関数は、「条件を満たす数値データだけを正確にカウントしたい」というニーズに応える関数です。
Excelで実務的なデータベース管理やレポート作成を行う方にとって、非常に強力なツールとなります。