「Excelで、特定の条件に一致するデータ件数を知りたい」「数値だけでなく、文字もカウントしたい」
そんなときに使えるのが DCOUNTA関数 です。
この記事では、DCOUNTA関数の構文、使い方、DCOUNTとの違い、複数条件の応用例、実務での活用法までを丁寧に解説します。
1. DCOUNTA関数とは?
DCOUNTA関数は、Excelのデータベース関数の1つで、
「条件に一致するデータのうち、空白ではないセルの個数」を数えることができます。
✅ DCOUNTが数値だけを対象とするのに対して、DCOUNTAは数値も文字列も対象になります。
2. 構文と引数の説明
| 引数 | 説明 |
|---|---|
| データベース | 集計対象の表全体(1行目にヘッダーが必要) |
| フィールド | カウント対象の列(列名・列番号・またはセル参照で指定) |
| 条件 | 条件を設定する範囲(ヘッダー行付きで指定) |
■ フィールドの指定方法例
-
"備考"(列名を文字列で) -
3(3列目を指定) -
C1(列見出し名が入力されたセル)
3. 基本的な使い方(1条件)
■ データ表(A1:C6)
| 商品 | 担当 | 備考 |
|---|---|---|
| A | 鈴木 | 優先顧客 |
| B | 田中 | (空白) |
| A | 鈴木 | 要連絡 |
| C | 山田 | 済 |
| A | 山田 | (空白) |
■ 条件範囲(E1:E2)
| 商品 |
|---|
| A |
■ 関数の例
→ 「商品 = A」の行のうち、「備考」が空白でないセルの数を返す → 2
4. 複数条件の設定方法
■ 条件範囲(E1:F2)
| 商品 | 担当 |
|---|---|
| A | 鈴木 |
→ 商品=A かつ 担当=鈴木 → 条件を満たす行は2つ。そのうち備考が空白でない行は2
5. DCOUNTとの違い
| 項目 | DCOUNTA関数 | DCOUNT関数 |
|---|---|---|
| カウント対象 | 空白でないセル(数値・文字を含む) | 数値セルのみをカウント |
| 用途例 | メモ欄・備考欄の入力有無を集計したい時 | 売上や点数など、数値だけをカウント |
| 空白セルの扱い | カウントしない | カウントしない |
6. 注意点とエラー対処
| エラー/問題 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
#VALUE! |
フィールド名の指定が不正 | 列名・列番号・見出しセルのいずれかを正確に指定する |
| 結果が0になる | 条件に合う行があるが対象列が空白 | 対象列にデータがあるか確認 |
| 空白もカウントされる? | → カウントされません(空白は除外) | 空欄セルは自動的に除かれる仕様 |
7. 実務での活用例
-
備考欄に入力があるデータ件数を把握したいとき
-
顧客情報のうち、連絡先が記入されている件数を集計
-
アンケートの自由記述欄が空でない回答数を確認
-
「資料あり」「コメント済み」など、記入の有無をカウントする場合に最適
8. まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な用途 | 条件に一致するデータのうち、空白でないセルの個数を集計 |
| メリット | 数値・文字列どちらもカウントでき、柔軟な条件設定が可能 |
| 注意点 | 条件範囲にヘッダー行を含める必要がある |
| 関連関数 | DCOUNT(数値のみ対象)、COUNTA、COUNTIFSなど |
✔ 補足:DCOUNTAとCOUNTAの違い
| 関数名 | 条件付きカウント | 空白除外 | データ形式 |
|---|---|---|---|
| DCOUNTA | ✅ 条件指定可 | ✅ | 数値・文字対応 |
| COUNTA | ❌(全体対象) | ✅ | 数値・文字対応 |
DCOUNTA関数は、「空白でない情報が入力された件数」を条件付きで集計したいときに大活躍する関数です。
Excelでの報告書、アンケート分析、入力チェックなど、「データの有無を数えたい」実務シーンに非常に役立ちます。