Excelで過去の株価データを自動で取得できたら便利だと思いませんか?
そんな要望に応えるのが、STOCKHISTORY(ストックヒストリー)関数です。
この関数を使えば、特定の銘柄の株価履歴をExcel上に簡単に取り込むことができます。
本記事では、STOCKHISTORY関数の基本構文から応用例、注意点まで詳しく解説します。
1. STOCKHISTORY関数とは?
STOCKHISTORY関数は、Microsoft 365版Excelで利用できる関数で、過去の株価(時系列)を自動で取得できます。
特徴:
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日別・週別・月別で株価を取得できる
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終値、始値、高値、安値、出来高などを指定可能
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指定期間の履歴を一括取得できる
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自動更新されるので、分析やグラフ作成にも最適
2. 構文と引数の解説
引数 | 説明 |
---|---|
銘柄 | 株式のティッカーシンボルまたはデータ型(例:”MSFT”) |
開始日 | 取得開始日(例:”2023/1/1″) |
終了日 | 任意。省略時は1日のみ。 |
間隔 | 0 = 日次、1 = 週次、2 = 月次(省略可) |
ヘッダー | 0 = なし、1 = 銘柄名のみ、2 = 銘柄名+見出し(省略可) |
プロパティ | 取得項目。例:0=日付, 1=終値, 2=始値, 3=高値, 4=安値, 5=出来高 |
3. 基本的な使い方
■ 例1:Microsoftの直近30日間の終値を取得
→ 「日付」と「終値」の2列がスピル表示されます。
■ 例2:Apple(AAPL)の2023年1月〜3月の株価を月次で取得
→ 月単位での株価が一覧表示されます。
4. 表示形式とオプション
■ 終値以外の情報も取得する
→ ヘッダー付きで「日付・終値・始値・高値・安値・出来高」が表示されます。
■ 取得間隔を指定する
値 | 意味 |
---|---|
0 | 日次 |
1 | 週次 |
2 | 月次 |
5. 応用テクニック
● グラフとの連携
STOCKHISTORY関数で取得したデータをそのまま折れ線グラフにすれば、株価の推移を可視化できます。
● 複数銘柄の比較
隣の列に異なる銘柄を設定して、複数のSTOCKHISTORY関数を使えば、銘柄ごとのパフォーマンス比較が可能です。
● ダッシュボード化
ドロップダウンリスト+STOCKHISTORY関数で動的な株価レポートも作成可能。
6. 注意点とエラー対処
エラー/問題 | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
#VALUE! |
銘柄コードや日付の書式が不正 | 正しい形式(例:”AAPL”, “2023/01/01″)に修正 |
#REF! |
スピル先に他のデータがある | 周囲のセルを空にする |
データが空白になる | 該当期間の株価データが存在しない | 日付・銘柄を再確認 |
株価が古い状態のまま | 自動更新がオフになっていることがある | Excelの設定で更新を有効化 |
7. まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
主な用途 | 株価の履歴データを自動取得し、Excelで分析・可視化する |
メリット | API不要、リアルタイムに近い形で自動で取得できる |
対応条件 | Microsoft 365(日本語版 Excel 365 含む) |
応用例 | グラフ、比較表、ダッシュボード、自動レポート作成など |
✔ 実務での活用シーン
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銘柄別の株価推移レポートを月次で自動生成
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投資信託やETFの比較表作成
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複数銘柄の成長率を自動で可視化
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デイトレードやポートフォリオの分析資料作成
STOCKHISTORY関数は、投資家・分析担当者・経理・経営企画など、多くのビジネスパーソンにとって非常に強力なツールです。
関数一つで株価履歴が自動的に取得できるため、レポートやプレゼン資料づくりが効率化されます。
Microsoft 365ユーザーの方は、ぜひ積極的に活用してみてください!