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Excel TRANSPOSE関数の使い方|基礎から応用まで徹底解説

Excelで表の「行」と「列」を入れ替えたいと思ったことはありませんか?
そんなときに便利なのが、TRANSPOSE(トランスポーズ)関数です。

この記事では、TRANSPOSE関数の基本的な使い方から、注意点、そして応用例までわかりやすく解説します。


1. TRANSPOSE関数とは?

TRANSPOSE関数は、Excelの配列関数のひとつで、行と列の位置を入れ替えて表示する関数です。

  • もとのデータの行を列に

  • 列を行に

変換する際に非常に便利です。


2. 基本的な使い方

■ 構文

excel
=TRANSPOSE(配列)

■ 例:縦に並んだA1:A3のデータを横に並べる

A列
りんご
みかん
ぶどう

→ 結果(横方向)

B1 C1 D1
りんご みかん ぶどう

■ 入力手順(配列数式での方法)※従来のExcelの場合

  1. 横に並べたいセル範囲(B1:D1)を選択

  2. 数式バーに =TRANSPOSE(A1:A3) と入力

  3. Ctrl + Shift + Enter を押す(配列数式になる)

■ 入力手順(Office 365 / Excel 2021以降)

  1. B1セルに =TRANSPOSE(A1:A3) と入力するだけでOK
    ※スピル機能により自動で横に展開されます


3. 注意点と制約

❶ 元のデータ数と変換先の範囲に注意

TRANSPOSE関数は元データと同じ要素数のセルを確保する必要があります(スピル対応版を除く)。

❷ 元のデータを変更すると、自動で反映される

TRANSPOSE関数は参照式です。元データを変更すれば、変換先も連動して更新されます。

❸ セルの結合があるとうまくいかないことがある

結合セルを含んだ範囲をTRANSPOSE関数で参照すると、エラーになることがあります。


4. 応用テクニック

● 動的な表変換に使う

売上データなど、縦に入力された表を横に並べてグラフ化したいときに便利です。

● FILTER関数やSORT関数と組み合わせて一覧表を動的に整形

excel
=TRANSPOSE(FILTER(A2:A10, B2:B10="東京"))

→ 条件に一致する値を抽出し、横並びに展開できます。

● INDIRECT関数と組み合わせて可変範囲を変換

excel
=TRANSPOSE(INDIRECT("A1:A" & C1))

→ C1に「5」と入力されていれば、A1:A5を横に展開


5. よくあるエラーと対処法

エラー 原因 対処法
#VALUE! 結合セルや無効な参照 範囲内のセルを確認
#SPILL! 展開先に他のデータがある 障害となるセルの内容を削除
結果が表示されない Ctrl + Shift + Enterを押していない(旧Excel) 配列数式として正しく入力する

6. まとめ

ポイント 内容
用途 行列の入れ替え
特徴 元のデータが変わると自動で連動
スピル対応 Excel 365 / 2021以降では自動展開可能
応用 FILTERやINDIRECT関数と組み合わせると柔軟な表づくりが可能

TRANSPOSE関数を使いこなすことで、複雑なデータの整形がぐっと簡単になります。
「表の向きを変えたいな」と思ったときには、ぜひ活用してみてください!