ExcelのUNICODE関数は、指定した文字や記号の**ユニコード(Unicode)**を取得するための関数です。UNICODEは、世界中の文字や記号を標準化したコード体系であり、さまざまな言語の文字や特殊な記号を含むデータを扱う際に役立ちます。この記事では、UNICODE関数の基本的な使い方から応用的な活用法までを詳しく解説します。
UNICODE関数とは?
UNICODE関数は、指定された文字や記号に対応するUnicodeコードポイントを返す関数です。ASCIIコードよりも広範囲な文字セットを扱えるため、国際的なデータ処理や多言語対応の作業に非常に便利です。日本語、中国語、特殊記号などの文字が持つ固有のユニコードを取得することができます。
UNICODE関数の基本的な構文
=UNICODE(文字)
- 文字: ユニコードを取得したい文字や記号、またはセル参照を指定します。
UNICODE関数の動作イメージ
たとえば、セルA1に「あ」という文字が入力されている場合、UNICODE関数を次のように使います。
=UNICODE(A1)
この場合、「あ」のUnicodeである12354が返されます。
UNICODE関数の実際の例
以下のように、UNICODE関数を使って様々な文字のUnicodeを取得できます。
セル範囲 | UNICODE関数の使用例 | 結果 |
“A” | =UNICODE(A1) | 65 |
“あ” | =UNICODE(A2) | 12354 |
“€” | =UNICODE(A3) | 8364 |
“😊” | =UNICODE(A4) | 128522 |
このように、UNICODE関数はASCIIコードよりも幅広い文字セットに対応しており、日本語や絵文字なども数値で返します。
複数文字が入力されている場合
UNICODE関数は、最初の文字に対してのみコードポイントを返します。たとえば、セルA1に「こんにちは」という文字列が入力されている場合、次のように使います。
=UNICODE(A1)
この場合、結果は最初の文字「こ」のUnicodeである12371が返されます。2文字目以降の文字は無視されます。
UNICODE関数の応用例
特定の文字のコードを確認
UNICODE関数を使えば、データの中で特定の文字や記号がどのようなUnicodeを持っているかを確認できます。たとえば、ユーザーが入力した記号や絵文字のUnicodeを調べる場合、次のように使います。
=UNICODE(A1)
絵文字や特殊記号を含むテキストも、そのUnicodeを確認することで正確にデータ処理が可能です。たとえば、「😊」という絵文字は128522というコードを持ちます。
多言語データの確認
UNICODE関数を使うことで、多言語データの中で特定の文字がどの言語やスクリプトに属しているかを判断できます。たとえば、英字や日本語、中国語の文字コードを確認して、言語ごとに異なる処理を行いたい場合に便利です。
=IF(UNICODE(A1)>=19968, “日本語または中国語”, “英数字”)
この数式では、セルA1に入力された文字のUnicodeが19968以上の場合、日本語または中国語の文字であることを示します。
文字列の中の特定の部分を識別
UNICODE関数は、特定の文字列内で特殊な記号や文字が含まれているかどうかを判別するのにも役立ちます。たとえば、データ入力中に誤った記号が含まれているかを検出したい場合、UNICODE関数を用いることができます。
=IF(UNICODE(A1)=8364, “ユーロ記号”, “その他”)
この数式では、セルA1にユーロ記号「€」が入力されていれば「ユーロ記号」、それ以外であれば「その他」と表示されます。
UNICODE関数の便利な豆知識
多言語・多文字種対応
UNICODE関数は、ASCIIコードに対応しているCODE関数と違い、あらゆる言語や記号に対応しています。たとえば、日本語、中国語、アラビア語、絵文字など、ほぼすべての文字セットを対象としたデータ処理が可能です。
CODE関数との違い
CODE関数は、主にASCII文字(英数字や一部の記号)に対応していますが、UNICODE関数はさらに広範囲の文字セットを扱います。例えば、日本語や絵文字など、Unicodeの範囲に含まれる文字を扱う場合にはUNICODE関数が便利です。
関数 | 対応範囲 |
CODE関数 | ASCII文字(0~255) |
UNICODE関数 | Unicode(全世界の文字) |
UNICHAR関数と組み合わせ
UNICHAR関数と組み合わせて使用することで、Unicodeを基に文字を生成したり、コードを文字に変換したりすることが可能です。たとえば、128522というUnicodeから絵文字「😊」を取得するには次のようにします。
=UNICHAR(128522)
UNICODE関数とUNICHAR関数を組み合わせることで、コードと文字の相互変換が簡単に行えます。
UNICODE関数のよくあるエラーと対処法
空白セルや無効な入力
UNICODE関数で空白セルを指定した場合、#VALUE!エラーが発生します。このエラーを回避するには、入力データが存在するかどうかを事前に確認する処理を追加しましょう。
=IF(A1=””, “”, UNICODE(A1))
この数式では、セルA1が空白であれば空白を返し、文字が入力されている場合はUNICODE関数を実行します。
文字列の長さに関わる問題
UNICODE関数は、複数の文字が入力された場合、最初の文字のみを対象とします。2文字目以降の文字のUnicodeを取得するには、MID関数を使って文字列から特定の文字を抽出し、UNICODE関数に渡す必要があります。
=UNICODE(MID(A1, 2, 1))
この数式では、セルA1の2文字目のUnicodeを取得します。
まとめ
ExcelのUNICODE関数は、さまざまな言語や文字セットに対応する非常に強力なツールです。ASCII文字に限らず、日本語や絵文字、特殊記号など幅広い文字のコードを取得できるため、国際的なデータ処理や多言語対応が必要なシーンで特に有用です。CODE関数やUNICHAR関数と組み合わせることで、柔軟な文字操作が可能になります。UNICODE関数を活用して、データ処理や文字列の解析を効率的に行いましょう!