ACOS関数とは?
Excelの ACOS関数 は、与えられた値の逆余弦(アークコサイン)を返す関数です。
通常のCOS関数は「角度 → コサイン値」ですが、ACOS関数はその逆で 「コサイン値 → 角度」 を求めることができます。
書式:
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数値:-1以上1以下の範囲の値(コサイン値)を指定
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戻り値:ラジアン単位の角度
👉 コサイン値から角度を逆算するために利用します。
基本的な使い方
例1:単純な値を計算
数値(コサイン値) | 数式 | 結果(ラジアン) | 結果(度数) |
---|---|---|---|
1 | =ACOS(1) | 0 | 0° |
0.5 | =ACOS(0.5) | 1.047 | 60° |
0 | =ACOS(0) | 1.571 | 90° |
-1 | =ACOS(-1) | 3.142 | 180° |
👉 角度を度数法(°)で表示するには DEGREES()
を組み合わせます。
例2:セル参照で利用
A列にコサイン値を入力し、B列で角度を求める場合:
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B2セルに入力:
注意点
1. 入力範囲
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有効な数値は -1 ~ 1 の範囲
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それ以外を入力すると、
#NUM!
エラーが発生します。
2. 返り値の範囲
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ACOS関数は 0 ~ π(0°~180°) の範囲で角度を返します。
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例えば、コサインが0.5のとき、60°と300°が考えられますが、ACOSは「60°」を返します。
👉 Excelは「主値(principal value)」を返す仕様です。
応用例
例3:角度を逆算する(三角形の計算)
三角形の2辺とその間の角度を計算するときに使えます。
例:
隣接辺が10、斜辺が20の直角三角形の角度を求める。
コサイン値 = 10 ÷ 20 = 0.5
Excelで:
例4:SIN関数やTAN関数との組み合わせ
三角関数と逆関数を組み合わせると、角度 ↔ 比率を行き来できます。
例:
👉 ただし、返り値の範囲は0°~180°に制限されるため、別解(=240°)は返りません。
まとめ
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ACOS関数 は「コサイン値 → 角度」を求める逆三角関数
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入力範囲は -1 ~ 1
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返り値は 0°~180° の範囲に制限される
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DEGREES()
を使うと度数法でわかりやすい -
三角形の角度計算、測量、物理シミュレーションなどに活用できる
👉 COS関数とACOS関数をセットで理解すると、「距離や比率から角度を逆算する」計算が可能になります。