PDFが重くてメールに添付できない——でも「契約書や個人情報を含むPDFを、オンラインの圧縮サイトにアップロードするのは不安」。そんなときに役立つのが、Windowsに最初から入っている機能だけでPDFを軽くする方法です。追加のソフトもインストールも不要で、ファイルを外部に送らずに処理できるのが最大のメリットです。

最初に大事な前提をお伝えします。Windowsには「PDF圧縮」という専用ボタンはありません。標準機能でできるのは「最適化して保存し直す」方法で、効果は元のPDFの中身によって変わります。この記事では、本当に効く順に、正直な注意点とあわせて解説します。

本命:Microsoft Edgeで「最適化」して保存し直す

Windows 11標準のブラウザ「Microsoft Edge」には、PDFを開いて保存し直す際にサイズを最適化できる機能があります。追加ソフト不要で最も手軽な方法です。

  1. 対象のPDFを右クリック →「プログラムから開く」→「Microsoft Edge」を選ぶ
  2. 画面右上の「名前を付けて保存」(フロッピーディスクのアイコン)をクリック
  3. 保存時に「ファイルのサイズを縮小」などの最適化オプションが表示されたら、それを選んで保存する

PDFの内容や構造によっては、この最適化オプションが表示されないことがあります。その場合は次のOfficeの方法を試してください。なお、Edgeで注釈などを編集して保存すると、逆にサイズが大きくなることもあります。

元がOffice文書なら:「最小サイズ」でPDF保存し直す

そのPDFをWord・Excel・PowerPointから作ったのなら、元のファイルから作り直すのが最も確実で効果的です。

  1. 元のOfficeファイルを開く
  2. 「ファイル」→「名前を付けて保存」で、ファイルの種類を「PDF」
  3. 表示される最適化の項目で「最小サイズ(オンライン発行)」を選んで保存

これは印刷用の高精細データではなく、画面表示向けのデータ量に調整するため、メール添付や画面閲覧にちょうどよい軽さになります。写真を多用した資料で特に効果が出ます。

画像が原因なら:PowerPoint/Wordで画像を圧縮してからPDF化

PDFが重い原因の多くは高解像度の画像です。Office側で画像を圧縮してからPDFにすると、大きく軽くできます。

  1. Officeで画像を選択 →「図の形式」タブ →「図の圧縮
  2. 解像度を「電子メール用(96ppi)」や「Web(150ppi)」など低めに設定
  3. 「この画像だけ」のチェックを外せば、文書内の全画像をまとめて圧縮できる
  4. そのうえで上記の「最小サイズ」でPDF保存

不要な図形やオブジェクトを削除してからPDF化するのも効果的です。

「Microsoft Print to PDF」の実態(誤解しやすい点)

ネット上では「Microsoft Print to PDFで印刷し直すとPDFが小さくなる」とよく紹介されます。手順はこうです。

  1. PDFを開いて「印刷」を選ぶ
  2. プリンターで「Microsoft Print to PDF」を選択して印刷を実行
  3. 新しいPDFとして保存する

ただし、ここは正直にお伝えします。Microsoft Print to PDFには、画質や解像度を下げる・フォント埋め込みを外すといった圧縮の設定がありません。そのため「圧縮ツール」ではなく、あくまでPDFを作り直すだけです。余分なデータが整理されて小さくなることもありますが、逆に大きくなる場合もあります。試す価値はありますが、確実な圧縮手段ではない、と理解しておきましょう。確実性を求めるなら、前述のEdge最適化やOfficeの「最小サイズ」が本命です。

圧縮しても小さくならない原因

標準機能で軽くならないときは、PDFの中身に理由があります。

  • 文字だけのPDF:もともと軽く、削れる情報が少ないため変化が小さい。
  • すでに最適化済み:一度小さくしたPDFはそれ以上縮みにくい。
  • 高解像度の画像・スキャンが主因:サイズの大半が画像。前述の「図の圧縮」やスキャン解像度の見直し(例:200〜300dpi)が有効。

Windows標準機能が向いているケース・向かないケース

こんなとき おすすめ
契約書・個人情報など、外部に上げたくない Windows標準機能(アップロード不要で安全)
元のOfficeファイルが手元にある 「最小サイズ」で保存し直す
手早く・とにかく軽くしたい(機密でない) オンラインの無料圧縮サービス
圧縮率を細かく調整したい・大量処理したい 専用のPDFソフト

Windows標準機能の一番の強みは、ファイルを外部サーバーに送らずに処理できる安全性です。圧縮率の細かい調整はできませんが、機密性の高い書類はまずこの方法を選びましょう。

それでも上限を超えるなら共有リンクで渡す

標準機能でメールの上限まで小さくできない大きなPDFは、無理に添付せずOneDrive・Googleドライブなどの共有リンクで渡すのが確実です。OneDriveはWindowsに統合されているため、ファイルを置いて「リンクのコピー」を選ぶだけで共有できます。機密情報の場合は、リンクの公開範囲(特定の人のみ)を必ず確認してください。

まとめ

Windows標準機能だけでPDFを軽くするなら、本命はEdgeの最適化保存Officeの「最小サイズ(オンライン発行)」。画像が重い原因なら「図の圧縮」を併用します。「Microsoft Print to PDF」は作り直すだけで圧縮設定がなく、増えることもある点に注意してください。

これらはファイルを外部に送らずに処理できるのが最大の利点です。契約書や個人情報を含むPDFは、まずこの方法を。手軽さを優先する一般的な書類は、無料オンラインサービスでのPDF圧縮と使い分けましょう。あわせてエクセルをPDFで1ページに収める方法もご覧ください。

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IT解決チャンネル編集部
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