Windows 10のサポート終了をきっかけにパソコンを買い替えた方から、「古いパソコンはどう捨てればいいのか」という質問をよくいただきます。実はパソコンは粗大ごみに出せません。法律(資源有効利用促進法)でリサイクルが義務づけられているためです。

この記事では、処分前に必ずやるべきデータ消去の手順と、無料でできる処分方法5つを比較して解説します。

大前提:パソコンは粗大ごみ・不燃ごみに出せない

パソコン本体(ノート・デスクトップ・一体型)とディスプレイは、自治体のごみ収集の対象外です。メーカーや認定事業者によるリサイクルが法律で定められています。間違えて集積所に出すと回収されず残されてしまうので、この記事で紹介する方法のいずれかで処分してください。

処分前に必ずやること3つ

①必要なデータのバックアップ

写真・書類・ブラウザのお気に入り・メールデータなどを、新しいパソコンまたはOneDrive等のクラウドに移します。一度手放したパソコンからデータは取り戻せません

②各種アカウントのサインアウト

忘れやすいのがこの手順です。処分するパソコンで以下を済ませておきます。

  • Microsoftアカウントからサインアウト(Officeのライセンス数に空きを作るためにも重要)
  • iTunesやAdobeなど、台数制限のあるソフトの認証解除
  • ブラウザに保存したパスワードの同期確認

③データの完全消去

ここが最重要です。「初期化した=データが消えた」ではありません。通常の初期化やフォーマットでは、復元ソフトを使えばデータを取り出せてしまう場合があります。

Windowsの標準機能で消去する場合は、次の手順で「クリーニング」まで行ってください。

  1. 「設定」→「システム」→「回復」→「このPCをリセット
  2. すべて削除する」を選択
  3. 設定の変更から「データのクリーニングを実行しますか?→はい」を選ぶ(ここがポイント。単なる削除より復元されにくくなります)

パソコンが起動しない場合は、内蔵ストレージを取り外して物理的に破壊するか、データ消去サービス付きの回収事業者に依頼するのが確実です。

処分方法5つの比較

方法 費用 向いている人
①メーカー回収(PCリサイクルマーク) マークありなら無料 2003年以降の国内メーカー製PC
②国認定の宅配便回収 無料(1箱に何点でも) 箱に詰めて送るだけで済ませたい人・周辺機器もまとめて処分したい人
③自治体の小型家電回収ボックス 無料 持ち込める場所が近くにある人(ノートPCのみ対象の場合あり)
④家電量販店の回収・下取り 店舗・条件による 買い替えと同時に店頭で済ませたい人
⑤買取・フリマで売却 収入になる 比較的新しく正常動作するPC

①メーカー回収:PCリサイクルマークを確認

本体に「PCリサイクルマーク」のシールが貼ってあれば、そのメーカーに申し込むと無料で回収してもらえます(2003年10月以降に販売された家庭向けPCに付いています)。マークがない古いPCは回収料金がかかります。手続きはメーカーごとのWebページから行います。

②国認定の宅配便回収:箱に詰めて送るだけ

環境省・経済産業省の認定を受けた事業者が、宅配便でパソコンを回収する方法です。パソコンを含む1箱であれば回収料金が無料で、マウス・キーボード・ケーブル・スマートフォンなどの小型家電も同じ箱に入れられます。壊れて起動しないパソコンでも回収対象です。

自宅から一歩も出ずに済むため、「処分したいものが複数ある」「持ち込みが面倒」という方には最も手軽な選択肢です。

③自治体の回収ボックス

市区町村が庁舎やスーパーに設置している小型家電回収ボックスです。無料ですが、投入口のサイズ制限でデスクトップPCが入らないことが多く、対象品目も自治体によって異なります。お住まいの自治体のWebサイトで確認してください。

④家電量販店の回収・下取り

買い替えと同時なら、購入店の下取り・回収サービスが使える場合があります。条件や料金は店舗・時期によって変わるため、購入前に確認しておくとスムーズです。

⑤売却:動くPCなら選択肢になる

発売から数年以内で正常に動作するパソコンなら、買取店やフリマアプリで売却できます。ただしデータ消去は自己責任になるため、上で説明した「クリーニング付きリセット」を必ず実行してから手放してください。

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宅配便回収を使うなら

上記②の国認定事業者がリネットジャパンです。パソコンを含む1箱の回収料金が無料で、壊れたPCもOK。データ消去ソフトの無料提供に加え、消去作業ごと任せられる有料オプションもあるため、「自分で消去するのが不安」という方にも向いています。申し込みはネットで完結し、宅配業者が自宅まで引き取りに来ます。

※テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの家電4品目は対象外です。

よくある質問(FAQ)

Q. 初期化すればデータは完全に消えますか?

いいえ。通常の初期化だけでは復元できる場合があります。Windowsのリセット時に「データのクリーニング」オプションを有効にするか、消去ソフト・消去サービスを利用してください。

Q. 起動しないパソコンはどう処分すればいいですか?

メーカー回収・宅配便回収とも、壊れていても回収対象です。データ消去が自分でできないため、消去証明を発行してくれるサービスを選ぶと安心です。

Q. ディスプレイやプリンターも一緒に処分できますか?

ディスプレイはパソコンと同じくメーカー回収の対象です。プリンターは対象外ですが、宅配便回収ならパソコンと同じ箱に同梱できます(自治体の小型家電回収でも出せる場合があります)。

Q. 会社のパソコンも同じ方法で処分できますか?

いいえ。事業で使ったパソコンは産業廃棄物扱いとなり、家庭向けの無料回収は使えません。会社の情報システム部門・総務の手順に従ってください。

Q. Windows 10のパソコン、まだ処分しない選択肢はありますか?

あります。ESU(拡張セキュリティ更新)への登録や用途を限定した継続利用など、Windows 10サポート終了後の3つの選択肢で詳しく解説しています。

まとめ

  • パソコンは粗大ごみに出せない(法律でリサイクルが義務化)
  • 処分前にバックアップ → サインアウト → データ消去の3つを必ず実行
  • 初期化だけでは不十分。「データのクリーニング」まで行う
  • 無料の処分方法はメーカー回収(リサイクルマーク)・国認定の宅配便回収・自治体ボックスの3系統
  • 動くPCは売却も選択肢。ただしデータ消去は自己責任

参考・出典