取引先10社に同じ案内を送りたい。でも他社のアドレスが見えてしまうのはまずい——そんなときに使うのがBCCです。

基本的な使い方は簡単ですが、あまり知られていない弱点があります。BCCを使ったメールは、迷惑メールと判定されやすいのです。この記事では手順とあわせて、その理由と対策を解説します。

BCCとは|名前が他の人に見えない宛先

BCCに入れた相手は、他の受信者に名前を表示されずにメールのコピーを受け取ります。

欄 他の受信者から見えるか 使う場面
宛先(TO) 見える 用件の相手
CC 見える 共有しておきたい関係者
BCC 見えない 互いに面識のない相手への一斉送信

複数の顧客や取引先へ同じ案内を送るとき、TOやCCに並べるとアドレスが全員に見えます。これは個人情報の漏洩にあたります。BCCを使う最大の理由がこれです。

BCC欄を表示する

Outlookでは初期状態でBCC欄が隠れています。まず表示させます。

新しいOutlookの場合

  1. メッセージ作成中に「オプション」を開く
  2. 「フィールドの表示」を選ぶ
  3. 「Bccの表示」をクリック

クラシックOutlookの場合

  • 新しいウィンドウで作成している場合——「オプション」→「Bcc」
  • 閲覧ウィンドウで作成している場合——リボンから「BCC」を選択

一度表示すれば次回から出たまま

便利な仕様です。BCCをオンにすると、オフにするまで毎回表示されます。メールを作るたびに設定し直す必要はありません。

どちらのOutlookを使っているか分からない場合は新しいOutlookと従来版の違いをご覧ください。

意外な弱点|BCCは迷惑メール扱いされやすい

ここが最も知られていない点です。

Microsoftの公式ドキュメントにこう書かれています。「スパム送信者がBCCの使用を好むため、多くの迷惑メールフィルターはBCCボックスを使用するメッセージに迷惑メールのフラグを設定」します。

つまり相手に届かず、迷惑メールフォルダに入る可能性があるということです。

なぜそうなるのか

スパム業者が大量配信にBCCを多用してきた経緯があるためです。「BCCを使っている」という事実自体が、フィルターにとっては怪しさの指標になっています。

善意で個人情報を守るために使っているのに、仕組みの上ではスパムと同じ振る舞いに見えてしまう——これがBCCの構造的な弱点です。

対策

  • 相手に「信頼できる差出人」へ登録してもらう——確実な方法です。重要な案内を定期的に送るなら、最初に依頼しておく
  • 件名と本文を通常のメールらしく書く——過度な記号や煽り文句は避ける
  • 宛先を極端に多くしない——数十件を超えるなら次の項を検討してください

迷惑メール判定の仕組みはOutlookの迷惑メール設定にまとめています。

大量配信にBCCは向かない

100件、200件といった配信をBCCで行うのはおすすめしません。理由は3つあります。

  • 迷惑メール判定のリスクが上がる
  • 届いたかどうかを確認できない——開封や到達の記録が残りません
  • 1件でも宛先を間違えると全員に影響する——送信を止められません

定期的な配信が業務にあるなら、メール配信サービスの利用を検討してください。到達率の管理や配信停止の受付など、BCCでは実現できない仕組みが用意されています。

送信後にBCCの相手を確認する

「誰をBCCに入れたか」は後から確認できます。

  1. 送信済みアイテムフォルダーで該当のメールを開く
  2. 閲覧ウィンドウでメッセージのヘッダー部分を見る

ただし確認できるのは送信者だけです。受信者側からBCCの一覧を見ることはできません。これはBCCの設計どおりの動作です。

誤送信を防ぐ使い方

TOに自分を入れる

BCCだけで送ると宛先欄が空になります。TOに自分自身のアドレスを入れ、実際の宛先はすべてBCCに入れるのが定番の形です。

送信後に自分にも届くため、本文やレイアウトの最終確認にもなります。

BCCの相手は「全員に返信」できない

受け取った側の視点では、BCCに入っていた人が「全員に返信」しても、他のBCC受信者には届きません。宛先を知らないためです。

逆に言えば、BCCの相手が誤って全員返信しても情報は漏れません。これはBCCの安全側の性質です。

送ってから気づいたとき

誤送信に気づいた場合の対処はOutlookの送信取り消しと遅延送信にまとめています。遅延送信を数分設定しておくと、送信直後の「しまった」を防げます。

よくある質問

Q. BCC欄が表示されません

新しいOutlookは「オプション」→「フィールドの表示」→「Bccの表示」、クラシックOutlookは「オプション」→「Bcc」(閲覧ウィンドウの場合はリボンの「BCC」)です。一度表示すれば、オフにするまで出たままになります。

Q. BCCに入れた人は他の受信者に見えますか?

見えません。名前が表示されない状態でメールのコピーを受け取ります。

Q. BCCで送ったら相手に届きませんでした

迷惑メールフォルダに入っている可能性があります。公式にも、多くの迷惑メールフィルターがBCCを使ったメッセージにフラグを立てると記載されています。相手に信頼できる差出人へ登録してもらうのが確実です。

Q. 誰をBCCに入れたか後から分かりますか?

送信者は確認できます。送信済みアイテムでメールを開き、ヘッダー部分を見てください。受信者側からは確認できません。

Q. 何件までBCCで送れますか?

技術的な上限とは別に、件数が増えるほど迷惑メール判定のリスクが上がります。数十件を超える定期配信なら、メール配信サービスの利用を検討してください。

Q. BCCの人が「全員に返信」したらどうなりますか?

他のBCC受信者には届きません。BCCの相手は他の宛先を知らないためです。情報が漏れる心配はありません。

まとめ

  • BCCは他の受信者に名前が見えない宛先。互いに面識のない相手への一斉送信に使う
  • 表示は新しいOutlook=「オプション」→「フィールドの表示」→「Bccの表示」、クラシック=「オプション」→「Bcc」
  • 一度表示すればオフにするまで出たまま
  • BCCは迷惑メール判定されやすい——スパム業者が多用するため、公式にもフラグが立つと明記されている
  • 対策は信頼できる差出人への登録依頼。大量配信はメール配信サービスを使う
  • 送信後は送信済みアイテムのヘッダーで確認できる(送信者のみ)
  • TOに自分を入れてBCCに宛先を並べるのが定番。最終確認も兼ねられる

参考・出典