info@ や support@ といった代表アドレスを、チームの複数人で見て返信する——これを実現するのが共有メールボックスです。

ただし、使い始めた組織のほぼ全てが同じ問題にぶつかります。

「この問い合わせ、誰かもう返信した?」
共有メールボックスの送信済みアイテムに、返信したメールが入っていない——

これは不具合ではなく、初期設定でそうなっているだけです。この記事では基本的な使い方に加えて、その解決方法まで解説します。

共有メールボックスとは

複数人で1つのメールアドレスを共同で使うための、専用のメールボックスです。

  • ライセンスが不要(通常のアカウントと違い、追加費用がかからない)
  • パスワードでのログインはしない(自分のアカウントからアクセスする)
  • メール・予定表を共有できる

問い合わせ窓口、部署の代表アドレス、採用担当窓口などで使われます。「担当者が変わってもアドレスが変わらない」のが大きな利点です。

Outlookに表示する

ふつうは自動で表示されます

管理者にアクセス権を付けてもらうと、左のフォルダー一覧の下のほうに自動で追加されます(自動マッピング)。

反映まで最大1時間ほどかかるので、権限をもらった直後に見えなくても慌てないでください。Outlookを再起動すると早く反映されることがあります。

表示されないときは手動で追加する

クラシック版の手順

  1. ファイル → アカウント設定 → アカウント設定
  2. 自分のアカウントを選んで変更 → 詳細設定
  3. 詳細設定タブ → 追加をクリック
  4. 共有メールボックスの名前かアドレスを入力してOK

ブラウザ版・新しいOutlookの手順

  1. 左のフォルダー一覧で「フォルダー」を右クリック
  2. 「共有フォルダーまたはメールボックスの追加」をクリック
  3. アドレスを入力し、候補から選んで追加

新しいOutlookでは、追加した共有メールボックスが「共有アイテム」の下に出ることがあります。その場合は展開したときに現れる「変換」ボタンを押すと、独立したアカウントとして扱えるようになります。

共有アドレスから送信する

ここが最も間違いやすい部分です。普通に返信すると、自分の個人アドレスから送られてしまいます。

差出人を切り替える手順

  1. メールの作成画面を開く
  2. 「差出人」ボタンをクリック
  3. 共有メールボックスのアドレスを選ぶ

「差出人」ボタンが見当たらないとき

初期状態では表示されていないことがあります。

  • クラシック版:作成画面の オプションタブ → 差出人を表示
  • ブラウザ版・新しいOutlook:作成画面の … → 差出人を表示

一覧に共有アドレスが出てこない場合は「その他のメールアドレス」を選び、アドレスを直接入力してください。一度使えば、次回から候補に残ります。

送信できずエラーになる場合

「送信者として送信する権限がありません」というエラーが出たら、権限が足りていません。

共有メールボックスの権限には次の3種類があり、読むだけの権限と、送る権限は別物です。

権限 できること
フルアクセス メールを読む・整理する。ただし送信はできない
送信者として送信 共有アドレスから送信できる
代理人として送信 「自分が共有アドレスの代理で」送信できる

フルアクセスだけ付いていて送信権限が無い、というのがよくあるケースです。情報システム部門に「送信者として送信の権限も付けてほしい」と依頼してください。

「送信者として」と「代理人として」の違い

この2つは受信側の見え方が変わります

相手に表示される差出人
送信者として送信 問い合わせ窓口共有アドレスのみ
代理人として送信 山田太郎 (問い合わせ窓口の代理)個人名が出る

問い合わせ窓口のように「担当者個人を出したくない」場合は「送信者として送信」を使います。

逆に、上司のメールを秘書が代理で出すようなケースでは、誰が実際に送ったか分かるほうが望ましいため代理人として送信が適しています。

【最大の落とし穴】送信済みアイテムに残らない

冒頭で触れた問題です。

初期設定では、共有アドレスから送ったメールは「送信した本人の送信済みアイテム」に保存されます。共有メールボックス側には残りません。

その結果、こうなります。

  • 他のメンバーから返信済みかどうか分からない
  • 同じ問い合わせに2人が別々に返信してしまう
  • 担当者が休んだ日に、やり取りの経緯を追えない

解決方法(管理者の作業)

これは利用者側では変更できません。Microsoft 365の管理センターで設定します。

  1. Microsoft 365管理センター → チームとグループ → 共有メールボックス
  2. 対象の共有メールボックスを選ぶ
  3. 送信済みアイテムの設定を編集する
  4. 「このメールボックスとして送信されたアイテムをコピーする」をオンにする
  5. 代理送信も使うなら「代理人として送信されたアイテムをコピーする」もオンにする

この2つは別々の設定です。片方だけオンにして「まだ残らない」となるケースが多いので、両方を確認してください。

設定後に送信したメールから反映されます。過去のメールは遡って移動しません。

情報システム部門への依頼文の例

共有メールボックス(アドレス)について、送信したメールが共有側の送信済みアイテムに保存されるよう設定をお願いします。
「このメールボックスとして送信されたアイテムをコピーする」と「代理人として送信されたアイテムをコピーする」の両方を有効にしていただきたいです。

そのまま使える形にしておきました。設定名を明示すると話が早く進みます。

チームで使うときの運用のコツ

返信中のメールに目印を付ける

二重対応を防ぐには、着手したら分類項目(カテゴリ)で色を付けるのが手軽です。共有メールボックス内の分類は他のメンバーにも見えます

「対応中」「完了」「保留」の3つ程度に絞ると運用が続きます。

既読・未読は共有されます

誰かが開くと、他のメンバーの画面でも既読になります。これを「対応済み」の目印にすると、ただ確認しただけの人が既読にしてしまい混乱します

既読ではなく分類項目やフォルダー移動で状態を管理してください。

共有アドレス用の署名を用意する

個人の署名のまま送ってしまう事故がよく起きます。共有アドレス用の署名を別途作っておき、差出人を切り替えたら署名も差し替える習慣にしましょう。

署名の作り方は Outlookの署名の設定方法 をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 共有メールボックスにパスワードでログインできますか?

できません。自分のアカウントでOutlookにログインし、そこから共有メールボックスを開く仕組みです。ライセンスが不要なのはこのためです。

Q. 追加したのにメールが表示されません

権限の反映に時間がかかっている可能性があります。最大1時間ほど待ってからOutlookを再起動してください。それでも出ない場合は権限が付与されていないので、管理者に確認してください。

Q. スマホからも使えますか?

Outlookモバイルアプリでアカウントとして追加すれば利用できます。ただしパソコンほど柔軟ではなく、差出人の切り替えなど一部の操作に制限があります。

Q. 仕分けルールは使えますか?

使えますが、注意が必要です。自分のOutlookに作ったルールは、自分のパソコンでしか動きません。チーム全員に効かせたい場合は、管理者にサーバー側での設定を依頼してください。

ルールの基本は Outlookの仕分けルールの設定方法 で解説しています。

Q. 共有メールボックスの容量は?

ライセンスなしの場合、上限は50GBです。それを超えて使うにはライセンスの割り当てが必要になります。容量がいっぱいのときの対処法 もあわせてご覧ください。

まとめ

  • 共有メールボックスはライセンス不要。自分のアカウントから開いて使う
  • 表示されないときは手動で追加する(反映に最大1時間かかることも)
  • 送信時は「差出人」を共有アドレスに切り替える。ボタンが無ければ「差出人を表示」で出す
  • フルアクセス権限だけでは送信できない。「送信者として送信」の権限が別に必要
  • 初期設定では送信済みが共有側に残らない。管理者が2つの設定を有効にする必要がある
  • チーム運用では既読ではなく分類項目で対応状況を管理する

最初にやるべきは送信済みアイテムの設定です。これが未設定のまま運用を始めると、後から過去のメールを遡って移すことはできません。使い始める前に管理者へ依頼しておいてください。

Outlookの基本操作は Outlookの使い方ガイド にまとめています。

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