経費精算、休暇申請、稟議、備品購入——会社では日々さまざまな「承認」のやり取りが発生します。「申請メールを送って、上司の返信を待って、結果をまた申請者に伝えて…」という手作業は、意外と時間と手間がかかるものです。

Power Automateの承認(Approvals)機能を使えば、こうした申請〜承認〜結果通知の流れをまるごと自動化できます。承認者はメールやTeamsに届く「承認」「却下」ボタンを押すだけ。この記事では、申請フォームと連動した承認フローの作り方を、手順つきでわかりやすく解説します。まだPower Automateに慣れていない方は、先にPower Automateとは?できること・始め方をご覧ください。

承認フローとは?どう動くのか

承認フローとは、「申請が出されたら、指定した承認者に承認依頼を送り、その結果によって処理を分ける」という自動化のことです。今回作るフローの流れは次のとおりです。

  • ①申請…申請者がMicrosoft Formsの申請フォームに入力する
  • ②承認依頼…上司(承認者)に承認依頼が自動で届く
  • ③承認 / 却下…承認者がボタンを押す
  • ④結果通知…結果に応じて、申請者へ自動でメール通知

事前に準備するもの

  • Microsoft 365のアカウント(承認機能を含むプラン)
  • 申請用のMicrosoft Forms(例:「申請内容」「金額」「理由」などの項目)
  • 承認者(上司など)のメールアドレス

申請フォームの作り方や、フォーム回答の活用はフォームの回答をExcelに自動転記する方法も参考になります。

承認フローの作り方(手順)

STEP1. トリガーに申請フォームを設定する

make.powerautomate.com にサインインし、「作成」→「自動化したクラウドフロー」を選びます。トリガーの検索で「Forms」を選び、「新しい応答が送信されるとき」を指定。続けて「応答の詳細を取得する」アクションを追加し、申請内容(金額・理由など)を取り出せるようにします。

STEP2. 「開始して承認を待機する」を追加する

「+新しいステップ」をクリックし、検索で「承認」と入力。「開始して承認を待機する」を選びます。これが承認フローの心臓部です。

STEP3. 承認の内容を設定する

承認アクションに、次のように入力します。

項目 設定内容
承認の種類 「承認/拒否 – 最初に応答」(1人が答えれば確定)
タイトル 承認依頼の件名(例:「経費申請の承認依頼」)
担当者 承認者のメールアドレス
詳細 申請内容(動的なコンテンツで金額・理由などを差し込む)

複数人の承認が必要な場合は「全員の承認が必要」を選ぶと、担当者全員が承認して初めて可決になります。

STEP4. 「条件」で承認・却下を分岐する

承認アクションの下に「+新しいステップ」→「条件」(Control)を追加します。左側に動的なコンテンツから「結果(Outcome)」を選び、条件を「次の値に等しい」+「Approve」に設定します。すると「はいの場合(承認)」と「いいえの場合(却下)」の2つの分岐が現れます。

STEP5. 結果に応じて申請者へ通知する

それぞれの分岐に「メールの送信(V2)」を追加します。

  • 「はいの場合」…申請者へ「承認されました」のメールを送信
  • 「いいえの場合」…申請者へ「却下されました(コメント付き)」のメールを送信

宛先には、Formsで取得した申請者のメールアドレスを動的なコンテンツで指定します。メール送信の詳しい設定はOutlookで定型メールを自動送信する方法も参考になります。

STEP6. 保存してテストする

右上の「保存」後、実際に申請フォームから1件申請してみましょう。承認者に承認依頼が届き、ボタンを押すと申請者へ結果メールが飛べば成功です。

承認者はどうやって承認するの?

承認者は、次のいずれの方法でもボタンを押すだけで承認・却下できます。専用アプリのインストールは不要です。

  • メール…届いた承認依頼メール内の「承認」「拒否」ボタンを直接クリック
  • Teams…Teamsの「Approvals」アプリや通知から操作
  • Power Automateアプリ…スマホアプリの「承認」タブから操作

コメントを添えて却下することもできるので、差し戻しの理由を申請者に伝えられます。

つまずきやすいポイントと対処法

症状 原因・対処
承認アクションが見つからない 検索欄で「承認」または「Approvals」と入力。プランによって利用可否が異なるため、使えない場合は管理者に確認
条件分岐が正しく動かない 比較する値は「Response(応答)」ではなく「Outcome(結果)」を使い、値は半角のApproveにする
承認者に依頼が届かない 担当者のメールアドレスの入力ミス、または承認者が同じ組織に属していない。組織内のアドレスを指定する

さらに実務で役立つ応用アイデア

  • 金額で承認者を変える…「10万円以上は部長、未満は課長」のように、条件分岐で承認者を切り替える
  • 多段承認…課長が承認したら次に部長へ、と承認アクションを2段重ねる
  • 承認結果をExcelに記録…可決・否決の履歴をExcelに自動転記して申請台帳を自動作成する
  • Teamsに通知…承認・却下されたら申請者や関係者のTeamsに自動通知する

まとめ

Power Automateの承認機能を使えば、申請〜承認〜結果通知という一連の流れを自動化でき、承認の「待ち時間」や「伝え漏れ」を大幅に減らせます。ポイントは「開始して承認を待機する」+「条件(Outcome=Approve)」の組み合わせです。まずは自分と身近な人だけの簡単な承認フローで、動きを体験してみてください。

Power Automateの他の自動化パターンは、Power Automateとは?できること・始め方から順にご覧いただけます。定型メールの自動送信フォーム回答のExcel自動転記と組み合わせると、業務全体をぐっと効率化できます。

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IT解決チャンネル編集部
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