Excelの数学・三角関数まとめ|丸め・MOD・SIN/COS・PI・対数を早見表つきで解説【保存版】
Excelには、四則演算だけでは足りない計算をこなす数学/三角関数が豊富に用意されています。丸め、余り、三角関数、対数・指数——理系の計算からビジネスの端数処理まで、活躍の場面はさまざまです。
この記事は、当サイトの数学・三角関数の解説20記事超をまとめた総合ガイド(まとめページ)です。「やりたいこと」から関数を探し、詳しい使い方は各記事で確認できます。
まず結論:やりたいこと→使う関数 早見表
| やりたいこと | 使う関数 |
|---|---|
| 四捨五入・切り上げ・切り捨て | ROUND/ROUNDUP/ROUNDDOWN |
| 小数点以下をまとめて捨てる | INT |
| 割り算の「余り」「商」を求める | MOD(余り)/QUOTIENT(商) |
| マイナスを外して絶対値にする | ABS |
| 掛け算をまとめて行う | PRODUCT |
| べき乗・平方根を計算する | POWER/SQRT |
| 三角関数(サイン・コサイン・タンジェント) | SIN/COS/TAN |
| 逆三角関数(角度を求める) | ASIN/ACOS/ATAN/ATAN2 |
| 度⇔ラジアンの変換・円周率 | RADIANS/DEGREES/PI |
| 自然対数・指数関数 | LN/EXP |
グループ①:丸めの関数 — ビジネスの端数処理の主役
金額計算で毎日使うのがこのグループです。
- ROUND関数 … 四捨五入。
=ROUND(1234.567, 0)→ 1235 - ROUNDUP関数 … 切り上げ。送料や必要箱数の計算に
- ROUNDDOWN関数 … 切り捨て。消費税の端数処理の定番
- INT関数 … 小数点以下を切り捨てて整数に(負の数では挙動が異なるので注意)
・「表示形式で小数点以下を隠す」のと「ROUNDで丸める」のは別物です。表示形式は見た目だけで、セルの値は元のまま。合計がズレる「1円合わない問題」の多くはここが原因です。計算に使う値はROUND系で丸めましょう。
グループ②:余り・商・絶対値・積(MOD・QUOTIENT・ABS・PRODUCT)
MOD関数(余り)は地味に万能です。=MOD(A1,2)が0なら偶数・1なら奇数の判定、=MOD(行番号,2)で1行おきの縞模様(条件付き書式)、時間計算の「○時間△分」分解にも使えます。ペアのQUOTIENT関数は割り算の商(整数部分)を返します。
ABS関数は符号を外して絶対値に。予実の「差の大きさ」を並べたいときに便利です。PRODUCT関数は範囲の掛け算版SUMで、単価×数量×掛け率のような連続する乗算をまとめられます。
グループ③:三角関数(SIN・COS・TAN と逆関数)
設計・測量・物理計算、そしてグラフ描画で使うのが三角関数です。SIN・COS・TANの3兄弟の関係と使い分けは、SIN・COS・TANまとめ記事で図解しています。
ここでExcel三角関数の最大の注意点を先に言います——引数は「度」ではなく「ラジアン」です。
| 入力 | 結果 | 判定 |
|---|---|---|
| =SIN(30) | -0.988… | ×(30ラジアンと解釈される) |
| =SIN(RADIANS(30)) | 0.5 | ○(30度の正しいサイン値) |
「サインの計算結果がおかしい」と感じたら、ほぼ間違いなくこれが原因。RADIANS関数で度をラジアンに変換してから渡してください。
逆に「辺の比率から角度を求める」のが逆三角関数のASIN・ACOS・ATAN。座標(x,y)から方位角を求めるなら、象限まで正しく判定してくれるATAN2関数が実務の定番です(ATANとの違いはATAN記事で解説)。結果はラジアンで返るため、度で見たいときはDEGREES関数で変換します。
グループ④:円周率と角度変換(PI・RADIANS・DEGREES)
PI関数は円周率π(3.14159…)を返す引数なしの関数です。円の面積は=PI()*A1^2、円周は=2*PI()*A1。「3.14」と手打ちするより正確で、式の意図も伝わります。
RADIANS(度→ラジアン)とDEGREES(ラジアン→度)は、三角関数グループとの橋渡し役。「人間は度で考え、Excelはラジアンで計算する」——この橋を渡し忘れないことが、三角関数を正しく使う唯一のコツです。
グループ⑤:対数・指数・べき乗(LN・EXP・POWER・SQRT)
- LN関数 … 自然対数(底e)。成長率の分析や理系の計算で登場
- EXP関数 … eのべき乗。LNのちょうど逆の関数
- POWER関数 … べき乗。
=POWER(2,10)=1024。演算子「^」でも同じ計算が可能 - SQRT関数 … 平方根。
=SQRT(2)=1.414…
よくある質問(FAQ)
Q. SIN(30)の結果が0.5になりません。なぜですか?
A. Excelの三角関数は引数を「ラジアン」として解釈するためです。30度のサインを求めるには=SIN(RADIANS(30))と書いてください。度のまま渡すのが最も多い間違いです。
Q. ROUNDDOWNとINTの違いは?
A. 正の数では同じ結果ですが、負の数で違いが出ます。ROUNDDOWN(-1.5,0)は-1(ゼロに近づく切り捨て)、INT(-1.5)は-2(小さい方への切り捨て)です。金額の端数処理には桁も指定できるROUNDDOWNが無難です。
Q. MOD関数の実務での使いどころは?
A. 偶数・奇数の判定、○行おきの色分け(条件付き書式との組み合わせ)、「120分→2時間0分」のような時間の分解、N個ずつの箱詰め計算の端数把握などです。詳しくはMOD関数の記事で解説しています。
Q. LNとLOGの違いは?
A. LNは底がe(自然対数)に固定された関数です。Excelには底を指定できるLOG関数、底10専用のLOG10関数もあります。データ分析や理系計算ではLN、桁数の感覚をつかむ用途ではLOG10がよく使われます。
まとめ
- 端数処理はROUND系(表示形式で隠すのとは別物)、余りはMOD、絶対値はABS
- 三角関数の鉄則は「引数はラジアン」——RADIANSで変換してから渡す
- 角度を求めるなら逆三角関数、座標から方位角ならATAN2
- 円周率はPI()、自然対数と指数はLN/EXP、べき乗・平方根はPOWER/SQRT
各関数の詳しい使い方・引数・具体例は、本文中のリンクから個別記事をご覧ください。







