テレワークやペーパーレス化が進み、書類に電子印鑑(電子ハンコ)や署名を入れて送る場面が増えています。「印刷して押印してスキャン」という手間をかけなくても、PDFに直接ハンコや署名を入れられます。

この記事では、PDFに電子印鑑・署名を入れる無料の方法を、印影の作り方から押し方までわかりやすく解説します。

電子印鑑と電子署名の違い

種類 内容 用途
電子印鑑 ハンコの画像をPDFに貼る 社内文書・見積書などの確認印
手書き署名 サインを手書きで書き込む 申込書・同意書などのサイン
電子署名(本格的) 暗号技術で本人性を証明 契約書など法的に重要な書類

この記事では、日常的によく使う電子印鑑(ハンコ画像)手書き署名を入れる方法を解説します。法的な効力が必要な契約には、専用の電子契約サービスを使いましょう。

電子印鑑を作る

まず、押すための印影(ハンコの画像)を用意します。

無料の作成サイトで作る

  1. 「電子印鑑 無料 作成」で検索して作成サイトを開く
  2. 名字を入力する
  3. 書体・色(朱色など)を選ぶ
  4. 画像(PNG)としてダウンロードする

背景が透明なPNG形式で作ると、PDFに押したときにきれいに見えます。

実物のハンコをスキャンして作る

実際のハンコを白い紙に押し、スマホで撮影またはスキャンして画像にする方法もあります。画像編集で背景を白く整えると使いやすくなります。

PDFに電子印鑑を押す(Microsoft Edge)

作った印影をPDFに貼り付けます。WindowsのMicrosoft Edgeを使えば、アプリ不要・アップロード不要でできます。

※Edgeのバージョンによっては画像の挿入機能が限られる場合があります。その場合は、無料の電子印鑑アプリや、Acrobat Readerの「スタンプ」機能を使う方法もあります。

専用の電子印鑑ソフトを使う

「クリップスタンプ」などの無料の電子印鑑ソフトを使うと、PDFやWord・Excelの好きな位置にハンコを押せます。

  1. 電子印鑑ソフトをインストールする
  2. 印影を登録する
  3. PDFを開き、押したい位置にハンコをドラッグする
  4. 保存する

PDFに手書き署名を入れる

サインを手書きで入れたい場合は、Microsoft Edgeの手書き機能が便利です。

  1. PDFを右クリック →「プログラムから開く」→「Microsoft Edge」
  2. 上部の「手書き(描画)」ツールを選ぶ
  3. 署名欄にマウスで署名を書く
  4. 「保存」(Ctrl+S)する

マウスでの手書きが難しい場合は、紙に署名して撮影し、画像として貼り付ける方法もあります。詳しくはPDFに文字を書き込む方法をご覧ください。

スマホで署名・押印する

  • iPhone:「ファイル」アプリでPDFを開き、マークアップから署名を追加できる(「署名を追加」機能あり)
  • Android:Acrobat Readerアプリの「入力と署名」から署名できる

スマホなら指で署名でき、外出先でも書類に対応できます。

電子印鑑を使うときの注意点

  • 電子印鑑の画像は悪用されないよう管理する(不用意に配らない)
  • 法的に重要な契約書には、正式な電子署名サービスを使う
  • 社内の運用ルールを確認する(電子印鑑を認めているか)

見積書や社内の確認印には電子印鑑で十分ですが、契約書など重要な書類は専用サービスの利用を検討しましょう。

Adobe Acrobat ReaderのスタンプでPDFに印鑑を押す

Adobe Acrobat Reader(無料版)の「スタンプ」機能を使うと、作成した印影画像をカスタムスタンプとして登録してPDFに押せます。サイズ調整や位置の微調整もできるため、電子印鑑ソフトがない場合の代替として有効です。

  1. Acrobat ReaderでPDFを開く
  2. ツールバーの「コメント」→「スタンプ」をクリックする
  3. カスタムスタンプ」→「作成」を選ぶ
  4. 印影のPNG画像を選択してスタンプ名を入力する
  5. 「OK」→PDFのスタンプを押したい位置をクリックする
  6. スタンプのサイズ・位置を調整して確定する
  7. 「ファイル」→「名前を付けて保存」でスタンプ付きPDFを保存する
一度登録したカスタムスタンプは次回以降も使い回せます。「スタンプ」メニューの「カスタムスタンプ」→登録済みの印影を選ぶだけで再利用できます。複数の書類に同じ印鑑を押す場合に便利です。

iPhoneのファイルアプリで署名を入れる詳細手順

iPhoneの「ファイル」アプリのマークアップ機能では、署名を事前登録しておくとワンタップで挿入できます。

  1. 「ファイル」アプリでPDFを開く
  2. 右上のペン先アイコン(マークアップ)をタップする
  3. ツールパレットの「+」→「署名」をタップする
  4. 初回は「署名を追加」で署名を指で書いて「完了」をタップ(2回目以降は登録した署名を選ぶだけ)
  5. PDFの署名を入れたい位置にドラッグして配置する
  6. サイズを調整して「完了」をタップする
💡 iPhoneの署名機能は登録した署名を保存しておくため、以降はワンタップで使い回せます。頻繁に署名を求められる方は、事前に登録しておくと効率的です。Apple Pencilを使うとより自然な署名が作れます。

電子印鑑の画像形式と透明背景の重要性

電子印鑑をPDFに貼り付けるときは、背景が透明なPNG形式を使うことがポイントです。背景が不透明(白)のままだとPDF上の文字が隠れてしまいます。

形式背景PDFに貼った結果
PNG(透明背景)透明ハンコ部分のみが見える。背景の文字が透けて見える
JPEG白(不透明)ハンコの周りが白い四角になって文字が隠れる
PNG(白背景)白(不透明)JPEGと同様に白い四角になる

無料の電子印鑑作成サービスでは、ダウンロード時に「PNG(透明背景)」を明示的に選ぶ必要があります。「PNG」と書かれていても白背景の場合があるため確認してください。

WordやExcelに電子印鑑を押してからPDF化する方法

WordやExcelに印鑑を挿入した状態でPDF化すると、位置を調整しやすく仕上がりもきれいです。

  1. Wordを開き、「挿入」→「画像」→「このデバイス」を選ぶ
  2. 印影のPNG画像を選択して挿入する
  3. 挿入した画像を選択→「文字列の折り返し」を「前面」にする
  4. 印鑑を押したい位置にドラッグして配置する
  5. サイズを調整してから「ファイル」→「名前を付けて保存」でPDFとして保存する
⚠️ Wordに挿入した電子印鑑の画像は、相手がWordで開いたときに移動・削除できてしまいます。改ざん防止が必要な場合は、印鑑を挿入した後にPDFで保存してから送付してください。

まとめ

  • 電子印鑑には「ハンコ画像を貼る(電子印鑑)」と「暗号技術で本人性を証明する(電子署名)」の2種類がある。日常的な確認印には前者で十分
  • 印影画像は無料の作成サービスで作るか、実物のハンコをスキャンして作成する。PNG(透明背景)形式が必須
  • Adobe Acrobat Readerの「スタンプ → カスタムスタンプ」でPDFにカスタム印影を押せる(無料・再利用可)
  • iPhoneのファイルアプリでは署名を事前登録しておくとワンタップで挿入できる
  • AndroidはAcrobat Readerアプリの「入力と署名」から手書き署名を入れられる
  • Word/Excelに電子印鑑を挿入してからPDF化すると改ざん防止になる
  • 法的効力が必要な契約書には専用の電子契約サービス(CloudSign・DocuSign等)を使う
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IT解決チャンネル編集部
ExcelやWord、Windows、Googleスプレッドシートなど、ビジネスで使うITツールの使い方を初心者にもわかりやすく解説しています。関数の使い方から実務で役立つ応用テクニックまで、画像付きでていねいに紹介。パソコン操作で困ったときの頼れる情報源を目指しています。