「メールの返信文を毎回一から書くのが面倒」「長いメールスレッドの要点だけ素早く知りたい」——OutlookのCopilotは、日本語で話しかけるだけでメール作成・スレッド要約・返信案生成・メール品質の改善提案まで自動でやってくれる機能です。

この記事では、使い始める前のライセンス確認・3つの起動場所・実際に使えるプロンプト例・競合記事があまり触れていないコーチング機能・うまく動かない場合の対処法まで、初心者向けにわかりやすく解説します。

この記事でわかること
・OutlookのCopilotを使うための前提条件(ライセンスと個人/法人の違い)
・Copilotの3つの起動場所と使い分け
・メール作成・スレッド要約・返信・コーチング・スケジュール調整のプロンプト例
・他のCopilot記事がほぼ触れていない「コーチング機能」の使い方
・「Copilotボタンが表示されない」などよくある問題の対処法

OutlookのCopilotとは

OutlookのCopilotは、Microsoft 365に組み込まれたAIアシスタントです。Outlook上で指示を入力するだけで、以下のような作業を自動で行ってくれます。

  • 件名・要点を伝えるだけでビジネスメールを一から下書きする
  • 長いメールスレッド(やり取りの連鎖)を数行に要約する
  • 受け取ったメールへの返信案を自動生成する
  • 書いたメールを分析して「トーン・明確さ・感情への配慮」を改善提案する(コーチング)
  • 参加者の空き時間をカレンダーから自動検出して会議をスケジュールする
💡 OutlookのCopilotが特に威力を発揮するのは「長いスレッドの把握」と「定型メールの量産」です。メール確認・返信に1日1〜2時間かかっている方は、Copilotの導入で大幅な時短が見込めます。

【重要】ライセンスと使える機能の違い

OutlookのCopilotは、ライセンスによって使える機能が異なります。この点を理解していないと「機能が少ない」と感じる原因になります。

プラン 使える主な機能
Microsoft 365 Personal/Family(月額1,490円〜) メール下書き(Draft with Copilot)・スレッド要約・コーチング
Microsoft 365 Copilot(法人・月額約4,497円/ユーザー) 上記に加え、スケジュール自動調整・Copilotサイドパネルの高度な機能・セキュリティ保護
Microsoft 365 無料版 × Copilot機能は使えない
Outlook 2021/2019(買い切り版) × Copilot機能は使えない
個人向けMicrosoft 365 PersonalでもCopilotの基本機能(メール作成・要約・コーチング)は使えます。スケジュール自動調整など一部の高度な機能は法人向けライセンスが必要です。

Copilotの3つの起動場所と使い分け

OutlookのCopilotは、使いたい機能によって起動する場所が3つあります

起動場所 操作方法 向いている機能
① 新規メール作成画面のCopilotボタン 「新しいメール」を開き、ツールバーの「Copilotで下書き」をクリック メールのゼロから下書き作成
② 受信メール画面のCopilotボタン メールを開いた状態で上部の「Copilot」または「要約」ボタンをクリック スレッド要約・返信案生成・コーチング
③ サイドパネルのCopilotチャット リボンメニューの「Copilot」ボタンをクリックして右側にパネルを表示 自由な質問・複数メールにまたがる情報確認・スケジュール調整

活用例①:メールの新規作成(ドラフト生成)

「新しいメール」画面でCopilotを起動し、要点を伝えるだけで本文を生成してくれます。

使い方の手順

  1. 「新しいメール」を開く
  2. 本文エリア上部の「Copilotで下書き」をクリック
  3. 「何についてのメールか」「トーン」「長さ」を入力フォームで指定
  4. 生成ボタンをクリック → 本文が自動入力される
  5. 内容を確認して必要な箇所を手動修正して送信

使えるプロンプト例

場面 プロンプト例
取引先への納期延長依頼 「○○株式会社の田中様への納期延長のお願いメールを書いて。当初7月31日→8月15日に変更をお願いしたい。理由は原材料調達の遅延。丁寧な謝罪と代替案(進捗報告の頻度を上げる)を含めて」
社内へのシステム障害連絡 「全社員向けに社内システム障害のお知らせメールを書いて。内容:受注管理システムが7月17日10:00〜12:00に停止予定。影響:受注入力・在庫確認ができない。代替:電話・FAXで対応。300字以内・簡潔に」
セミナー参加のお礼と次回アポ 「昨日参加したセミナーの講師・鈴木様へのお礼メールを書いて。特に印象に残った話(DX戦略の部分)を具体的に触れて、30分の個別相談のお時間をいただけないか打診する内容で」
カジュアルなプロジェクト進捗連絡 「プロジェクトメンバーへの週次進捗連絡メールを書いて。トーンはカジュアルに。今週完了:要件定義。来週予定:設計レビュー。課題:A社の確認待ち」

活用例②:メールスレッドの要約

長いやり取りが続いているメールスレッドを開いたとき、Copilotが「これまでの経緯・結論・次のアクション」をまとめてくれます。

使い方の手順

  1. 要約したいメールスレッドを開く
  2. メール上部の「このスレッドを要約する」ボタンをクリック(またはサイドパネルから指示)
  3. スレッド全体の要約が自動表示される

使えるプロンプト例(サイドパネルから)

やりたいこと プロンプト例
スレッドの要点を知りたい 「このメールスレッドの経緯と最終的な結論・決定事項を教えて」
自分がやるべきことを確認したい 「このスレッドの中で私(山田)に依頼されているアクションと期限を教えて」
未解決の問題を確認したい 「このスレッドでまだ解決していない課題や未確認の事項はどれ?」
スレッドの最新状況だけ知りたい 「この長いやり取りの中で、最後に決まったことだけを1〜2行で教えて」
💡 20通以上のやり取りがあるプロジェクトメールでも要約できます。休暇明けや長期プロジェクトの引き継ぎ時に、スレッド要約を使えば内容把握にかかる時間を大幅に短縮できます。

活用例③:返信メールの自動生成

受け取ったメールを開いたまま「こういう内容で返信して」と指示するだけで、相手のメール内容を踏まえた返信案を作ってくれます。

使えるプロンプト例

場面 プロンプト例
会議の依頼を承諾する返信 「会議の招待を承諾する返信を書いて。7月25日14:00のMTGに参加することを伝えて、事前に確認したい資料があれば送ってほしいと一言添えて」
見積もりへの検討中の返信 「見積書受領のお礼と、社内で検討中のためもう1週間時間をいただきたい旨を丁寧に伝える返信を書いて」
クレームへの対応返信 「お客様からのクレームメールへの返信を書いて。まず誠実にお詫びし、原因調査中であること、○○日中に調査結果をご報告することを伝えて。感情的にならず冷静なトーンで」
質問への回答返信 「製品の価格についての問い合わせへの返信を書いて。基本価格は月額50,000円(10ユーザーまで)であることを伝え、詳細は個別相談に案内して」

活用例④:コーチング(メール品質の改善提案)

これは他のCopilot記事ではほとんど紹介されていない機能ですが、非常に実用的です。Copilotが送る前のメールを分析して、「トーン(口調)・明確さ・感情への配慮」の3つの観点で改善点を具体的に提案してくれます。

コーチング機能の使い方

  1. 返信または新規メールを書き終える
  2. ツールバーの「Copilot」→「コーチング(Coaching by Copilot)」をクリック
  3. Copilotが「トーン・明確さ・感情への配慮」について具体的な改善提案を表示する
  4. 提案を参考に文章を修正してから送信する

コーチングで提案される内容の例

評価軸 指摘例 改善の方向性
トーン(口調) 「この文章は少し強い口調に聞こえる可能性があります」 より丁寧・中立的な表現に書き換え
明確さ 「依頼内容が抽象的です。具体的な期日や担当者を明示してみましょう」 数値・日付・固有名詞を追加
感情への配慮 「相手が否定されたと感じる可能性があります。前向きな言い回しに変えてみましょう」 批判的な表現を建設的に変換
コーチング機能はクレーム対応・目上の方への依頼・謝罪メールなど「送る前に一度確認したい場面」で特に有用です。AIの目で第三者的にメールをチェックしてもらうことで、意図せず失礼な印象を与えてしまうリスクを減らせます。

活用例⑤:スケジュール調整(法人向けライセンス向け)

Microsoft 365 Copilot(法人)をお使いの場合、Copilotがカレンダーを参照して参加者全員が空いている時間を自動で見つけ、会議を設定してくれます

使えるプロンプト例

やりたいこと プロンプト例
来週の会議を設定したい 「田中さんと鈴木さんの来週の予定を確認して、2人が参加できる30分のミーティングを設定して」
会議の候補日を提案してほしい 「山田・佐藤・中村の3人が揃って参加できる1時間の会議の候補を来週中で3つ教えて」
フォーカスタイムを確保したい 「来週月曜日の午前中に2時間の集中作業時間をカレンダーにブロックして」
🔴 スケジュール調整機能はMicrosoft 365 Copilot(法人ライセンス)が必要です。また現時点では一度に調整できる参加者数に上限があります。Microsoft 365 Personal/Familyでは、サイドパネルからのカレンダー確認・提案のみとなります。

Copilotが得意なこと・苦手なこと

得意なこと 苦手なこと・注意が必要なこと
ビジネスメールの下書き・骨格作成 固有名詞・製品名・価格など正確な数値の生成(必ず確認)
長いスレッドの要点抽出・要約 添付ファイルの内容の自動参照(ファイル種類・設定に依存)
書いたメールのトーン・明確さの改善提案 機密性の高いメールへの適用(社内ポリシーを確認してから使う)
返信案の自動生成 社外の相手のカレンダー参照(社外ユーザーとのスケジュール調整は不可)
カレンダーを参照した社内スケジュール調整 感情的なニュアンスや行間を完全に読み取ること(最終確認は必ず人間で)

うまく動かない場合のチェックリスト

症状 確認・対処
Copilotボタンが表示されない ①Microsoft 365の対象ライセンスか確認 ②Outlookを最新版にアップデート ③Officeにサインインしているか確認
「コーチング」ボタンが表示されない メール本文を書いた状態でツールバーのCopilotアイコンを右クリックして確認。最新版にアップデートしていない場合は表示されないことがある
スレッド要約ボタンが出ない メールが1通だけの場合は表示されない。複数のやり取りがあるスレッドを開いて確認する
スケジュール調整が使えない 法人向けMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要。個人向けMicrosoft 365 Personal/Familyでは非対応
生成されるメールが英語になる プロンプトに「日本語で」と明記する。または「日本語のビジネスメールとして」と条件を加える

OutlookのCopilotは、メール対応の時間を大幅に短縮できるツールです。特に「スレッド要約」と「コーチング機能」は、導入してすぐに効果を感じやすい機能です。まずは受信した長いメールスレッドを開いて「このスレッドを要約して」と試してみるところから始めてみましょう。

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